「ヒットの裏に広報あり!」/瀧川 智子(石川県出身)

おはようございます、PDB瀧川でございます。


社会人の嗜みとして日経新聞を読み出してから
もうすぐ2年が経過しようとしています。

昨今では「危機」だの「削減」だの「失速」だの
ネガティブな言葉ばかり。。。


「大手企業さえ苦戦している今、
無名の中小・ベンチャー企業が売上を伸ばす手立てなどあるのか?」


と思わず投げやりになってしまいそうですが
世の中暗い話題ばかりではありません!


大手企業発の商品・サービスでなくとも
「売れるものは売れている」のです。


先日発表された日経MJ主催の
「2008年ヒット商品番付」に


東の横綱に「ユニクロ」と「H&M
西の横綱に「セブンプレミアム」と「トップバリュ

など大手企業ばかりランクインしている中で
「B型自分の説明書」(文芸社)という本がランクインしていることに
皆様気がつかれましたでしょうか?



「B型自分の説明書」
http://www.p-db.com/__cstid__/0000660/



この本は


□「変」て言われるとなんだかウレしい。
□自分ルールがある。
□地味でめんどくさい作業を楽しめる。


などなど、B型ゆえの特徴を分析した本なのですが
実は出版元の文芸社は「自費出版」を専門とする中小規模の出版社であり
著者のJamais Jamais(じゃめじゃめ)氏も
この本を出すまでは無名の方だったのです!



自費出版とは…
「筆者や編者が費用を負担して出版すること」で
一般の方が自分史や趣味の本などを出版していますが
他の大手出版社から様々な理由で出版を断られた作家の卵の方が
利用する場合もあります。

自費出版は100冊からの作成が基本ですが
例えば1000部だと50万円〜100万円程度が必要となるといわれており
「趣味」で出すにしては大きな買い物です。


それゆえに、Jamais Jamais氏ももしかしたら
他の出版社で断られたが故に
文芸社にこの本を持ち込んでの
いわば「人生を賭けた」出版であったと想定されます。



それが昨年から徐々に話題となり
気がつけば10万部売れればベストセラーといわれるこの業界で
累計【150万部】もの売上を達成したのです!



話はそれだけにとどまらず…


「B型自分の説明書」に続き「A型」、「AB型」、「O型」と
シリーズ本が出版されたのですが
シリーズ合計の販売数は【合計480万部】!


世界的ベストセラーとなった
ハリーポッターシリーズの1巻目「ハリーポッターと賢者の石」の
日本における売上が【約500万部】ですので
ハリポタに匹敵する販売数であったことが伺えます。



ではどうして自費出版から始まったこの本が
ハリーポッターに匹敵する冊数を売り上げることができたのでしょうか?



その背景には


・編集(作り手)の努力
・販売(売り手)の努力

の2点のほかに


『広報』の努力があったからと言われています。


※参照:販促会議 2009年1月発行(通巻129号)P30


というのも、「B型自分の説明書」の初版は昨年9月に出版されたのですが
その後販売サイドの努力でじわりじわりと取り扱う書店数が増加。


7ヶ月後の今年4月には25万部を達成し
三省堂書店で売上上位にランクインしたのをきっかけに
テレビ「王様のブランチ」で紹介されるまでにいたりました。


これに目をつけたのが文芸社の広報・朽木氏。


プレスリリースの配信を積極的に行い
全国の書店で大きな反響を得ていることを訴求したところ
さらに多くの媒体に取り上げられるようになったのです!


文芸社から配信された「自分の説明書」シリーズのメディア掲載実績
http://www.p-db.com/__cstid__/0000661/


これらにより王様のブランチに取り上げられてからの2ヶ月間で
販売数は一気に上昇し、100万部を達成。


先月には150万部を達成する偉業を成し遂げたのでした。



このエピソードからわかることは
『広報』というのは商品・サービスの展開において
ヒットの起爆剤となりうるということです。


しかし「作り手」や「売り手」との
「密な連携」が必要であることも事実。
チームプレーなしには200%の実力を発揮することはできません。



日々広報に携わっている皆様!
もしかしたらヒット商品をつくるのは皆さんかもしれません。


密なチームの連携の下、自社の「これは!」広報し、
来年のヒット商品番付入りを目指してくださいませ!




それでは本日も宜しくお願いいたします。